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1−2−3 高い漁船依存
平成7年における建造実績を船質・用途別にみると、建造隻数については全隻数の94.1%がFRP船であり、しかも、平成5年の北海道運輸局の調査によればFRP船の9割以上が漁船であったことから、平成7年についても漁船がFRP船の太宗を占めているものと考えられる。

船質・用途別建造実績(平成7年)

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北海道運輸局が実施した平成6年のアンケート調査から、北海道中小造船業の漁船依存度の高さが指摘されている。修繕に占める漁船の依存率をみると、52社で約73%が「依存率80〜100%」となっている。

修繕船に占める漁船の依存率

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また、内航船腹量の状況を全国と北海道で比較してみると、平成7年3月末時点の全国の内航船腹量は8,839隻で約400百万総トンであるのに対し、北海道においては同年7月末現在で125隻(全国シェア1.4%)で約3万総トン(全国シェア0.7%)と極めて低い水準となっている。
このように北海道においては、内航船の市場規模は極めて小さく、中小造船業にとって需要としてはほとんど見込めない。それは、北海道内の中小造船所が漁船に大きく依存せざるを得ない背景でもある。

 

 

 

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